| 要旨トップ | ESJ72 自由集会 一覧 | 日本生態学会第72回全国大会 (2025年3月、札幌) 講演要旨
ESJ72 Abstract


自由集会 W04  3月16日 14:00-15:30 Room G

ウンチは語る:閉鎖環境が生み出す動物たちの“Hygienic behavior”と排便の妙【O】
Thus Spoke Poop: Hygienic Behavior and the Curious Case of Defecation in Enclosed Environments.【O】

伊藤文(名古屋大学), 下地博之(琉球大学), 佐藤幸恵(筑波大学)
Bun ITO(Nagoya Univ.), Hiroyuki SHIMOJI(Univ. of Ryukyus), Yukie SATO(Univ. Tsukuba)

排泄された糞は病気の原因となる微生物を伝播するキャリアとなり、また、糞そのものに含まれるアンモニアなどの窒素代謝産物が生物への害を引き起こしうることが知られている。特に、巣を作って閉鎖的な環境に生息する動物や個体間の相互作用を通した集団生活を営む動物では、糞をどのように扱うかは衛生管理の観点から重要な課題の一つである。その一方で、有益な共生微生物を個体間で受け渡すキャリアとして糞が用いられるなど、利益をもたらす場合も知られている。このように多様な機能を持つ糞は、動物の生活と密接に関わっており、衛生行動を始めとした様々な行動の進化の原動力になるだろう。本自由集会では、様々な分類群の動物 (ダニ、アリ、カエル) を対象として、例えば”トイレ”のようなものを形成するなど、糞の取り扱いに関する研究事例を紹介するとともに、皆さんと糞の面白さを共有することを目的とする。

[W04-1]
アイフィンガーガエルの複層的な狭所適応:排便しないオタマジャクシが示す衛生戦略 *伊藤文(名古屋大学), 若宮健(東京科学大学), 岡田泰和(名古屋大学)
Layered Adaptations to Confined Spaces in Kurixalus eiffingeri : Hygiene Strategies of Non-Defecating Tadpoles *Bun ITO(Nagoya Univ.), Takeshi WAKAMIYA(Science Tokyo), Yasukazu OKADA(Nagoya Univ.)

[W04-2]
トゲオオハリアリにおけるトイレの多機能性とその形成メカニズム *下地博之(琉球大学)
Hidden function and construction process of toilet in an ant Diacamma cf indicum *Hiroyuki SHIMOJI(Univ. of Ryukyus)

[W04-3]
スゴモリハダニ類の排泄行動:多様性と進化的背景 *佐藤幸恵(筑波大・山岳セ), 新藤啓太(筑波大・院・生物学DP)
Defecation behaviour of Stigmaeopsis spider mites: diversity and evolutionary background *Yukie SATO(Univ. Tsukuba), Keita SHINDO(Univ.  Tsukuba)


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