| 要旨トップ | ESJ72 自由集会 一覧 | 日本生態学会第72回全国大会 (2025年3月、札幌) 講演要旨
ESJ72 Abstract


自由集会 W07  3月16日 16:00-17:30 Room F

植物生理生態:資源の獲得・利用・分配に着目した地上部と地下部の相互作用【O】
Plant physiological ecology: Interactions between aboveground and belowground based on resource acquisition, use, and allocation【O】

梶野浩史(東北大学), 河合清定(国際農研), 才木真太朗(森林総合研究所), 田邊智子(京都大学), 平野侑(信州大学)
Hirofumi KAJINO(Tohoku Univ.), Kiyosada KAWAI(JIRCAS), Shin-Taro SAIKI(Forestry and Forest Products Research Institute), Tomoko TANABE(Kyoto Univ.), Yu HIRANO(Shinshu Univ.)

植物は根から栄養塩や水を吸収し、葉で行う光合成で炭素を得る。根の生産に炭素を多く配分すると水や養分の吸収量は増えるが、葉の形成に使える炭素の量が減るため、葉量ひいては光合成生産量が減ってしまう。そのため、「限られた資源を地上部と地下部にどのように分配すると植物の成長が最適化されうるのか」という疑問は古くから植物生態学者の興味を引いてきた。先行研究を経て地上部と地下部のバイオマス比の種間・種内の変異のパターンが明らかになってきたが、このような地上部地下部比が決まるメカニズムに踏み込んだ研究は少ない。また、光合成で獲得した炭素の分配先は季節により変わりうるが、地上部と地下部の生産量の季節変化はほとんどわかっていない。さらに光合成速度の高い種は葉の栄養塩濃度が高く、根からより多くの栄養塩を吸収していることが予測されるが、根と葉の機能や形質が種間で同調するかについても議論がある。本集会では地上部地下部の相互作用について、資源の獲得・利用・分配の観点から、理論的、実証的研究を展開する3人の演者にご講演いただく。集会の最後には総合討論の時間を設け、地上部と地下部の相互作用という古典的なトピックに対して、今後どのような角度から新しい研究を展開していけるかについて議論を深めたい。

[W07-1]
当年生実生33種を用いた根と葉形質から見る地上部と地下部の同調と菌根タイプの関係 *鈴木桂実(東北大学), 梶野浩史(東北大学), 廣川周作(東北大学), 冨松元(東北大学), 門脇浩明(京都大学), 彦坂幸毅(東北大学)
Evaluating the relationship between mycorrhizal types and above- and below-ground coordination by using root and leaf trait of 33 tree seedlings *Katsumi SUZUKI(Tohoku Univ.), Hirofumi KAJINO(Tohoku Univ.), Syusaku HIROKAWA(Tohoku Univ.), Hajime TOMIMATSU(Tohoku Univ.), Kohmei KADOWAKI(Kyoto Univ.), Kouki HIKOSAKA(Tohoku Univ.)

[W07-2]
光合成生産の観点からみた最適な通水構造をみたす地上部と地下部のバランス *種子田春彦(東京大学)
Optimal hydraulic design of above- and below-ground parts of plants *Haruhiko TANEDA(Tokyo Univ.)

[W07-3]
森林生態系における地上部・地下部生産動態の相互関係 *仲畑了(東京大学, モートン樹木園)
Interactions between above- and belowground production dynamics in forest ecosystems *Nakahata RYO(Tokyo Univ., The Morton Arboretum)


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