| 要旨トップ | ESJ72 自由集会 一覧 | | 日本生態学会第72回全国大会 (2025年3月、札幌) 講演要旨 ESJ72 Abstract |
自由集会 W19 3月17日 18:00-19:30 Room F
近年、生物多様性の重要性が社会のさまざまな場面で認識されるようになり、多様な主体が生物多様性観測データを利活用できるようにするため、社会インフラとしての情報基盤の整備の重要性が高まっている。日本国内の生物多様性観測は、公的機関だけでなく、自然愛好者団体や個人によっても支えられており、多様な生物の状況を把握するために多角的な観測が求められており、そのためにはすべてのセクターの協力、将来の人材育成、観測主体間の連携が不可欠である。JBON(Japan Biodiversity Observation Network)は、2009年に国内の生態系および生物多様性の観測ネットワークとして設立され、2023年度に再始動し、「生態系・生物多様性観測主体間の連携の推進」「生態系・生物多様性情報の公開と利活用の推進」「国際貢献」を柱とした活動を進めている。
本集会では、国際的な目標である昆明・モントリオール生物多様性フレームワークと生物多様性国家戦略を踏まえた国内およびアジア太平洋地域における生物多様性観測の現状と課題を展望する。講演では、陸域および海域の生態系における生物多様性観測と評価の最新動向や課題、技術的進展について紹介するとともに、国際的なイニシアティブで議論が進められているEBVs(必須生物多様性変数)およびEOVs(必須海洋変数)の役割や国内での応用可能性、政策活用の展望についても検討する。国内外の生物多様性観測の動向を見据え、国際・国内の課題の達成、観測を支える人材・技術的基盤に対してJBONがどのように貢献できるかについて議論したい。
[W19-1]
アジア太平洋地域におけるEBVs活用による生物多様性観測の新たな挑戦
New Challenges in Biodiversity Monitoring Using EBVs in the Asia-Pacific Region
[W19-2]
植生フェノロジーの長期リモートセンシング観測による生態系への気候変動影響解明
The Impact of Climate Change on Ecosystems Revealed by Long-term Remote Sensing of Vegetation Phenology
[W19-3]
MBONと必須観測項目の展開及び生物多様性指標やTNFDへの活用可能性
Deployment of Essential Ocean Variables through MBON and their application to biodiversity indicators for CBD and TNFD frameworks