| 要旨トップ | ESJ72 自由集会 一覧 | | 日本生態学会第72回全国大会 (2025年3月、札幌) 講演要旨 ESJ72 Abstract |
自由集会 W26 3月18日 16:00-17:30 Room B
自然界に存在する生物の「かたち」は多様かつ規則的である.生物の「かたち」は共通する物理的制約と異なる生息環境の中で進化し,ゲノムにコードされた多様な「かたち」が発生プロセスを経て形成される.こうした「かたち」の多様性とその制約を解明することは,生物の形態進化や遺伝子型空間と表現型空間の対応関係(G-Pマップ)の理解,生物多様性の評価に繋がる.
一方で,「かたち」は行動や機能,適応度に関わる極めて重要な表現型にも関わらず,定量的なデータの収集・蓄積は限定的である.近年のCTスキャナや3Dスキャナ,2次元画像からの3次元再構築技術の一般化により「かたち」のデータ化は容易になったが,生物学的に意味のある定量的な情報の抽出には課題がある.「かたち」の定量評価を可能にするフェノタイピング(phenotyping)のための理論と技術の開発が求められている.
本集会では生物の「かたち」を定量的に評価することではじめて形態的な多様性とその制約を明らかにした研究を紹介する.動物や植物の形態的多様性と制約を解析するための理論とツール,またその結果特性されたパターンを示し,定量的な研究アプローチの有用性を示す.また,「かたち」のフェノタイピングに期待される役割について議論したい.
[W26-1]
「かたち」のフェノタイピングによる形態的多様性と制約の解明
Phenotyping of morphological properties reveals morphological diversity and constraints