| 要旨トップ | ESJ72 自由集会 一覧 | | 日本生態学会第72回全国大会 (2025年3月、札幌) 講演要旨 ESJ72 Abstract |
自由集会 W27 3月18日 16:00-17:30 Room F
生物多様性の劣化とそれに起因する生態系サービスの低下は現在も止まらず、人と自然が共生するネイチャーポジティブな社会の実現に向けて、今なお多くの問題を抱えている。例えば貴重な自然の多くが保護されておらず、2022年の「昆明・モントリオール生物多様性枠組み」のグローバルターゲットの一つである2030年までに陸と海の30%以上を健全な生態系として効果的に保全するという、いわゆる30 by 30への道のりは遠いものとなっている。また地球温暖化、外来種、生息地の減少等による生態系の機能の劣化、生物多様性の
喪失が懸念されているがその実態解明もまだ不十分である。さらにはインベントリーと分類学という基礎的な分野での研究の遅れから、発見される前に滅びる種がいるというのは、遠い熱帯雨林に限ったことではない。
こうした背景により、環境省では環境研究総合推進費(以下「推進費」という)という競争的研究費を用意して、研究者の自発的な提案による「自然共生社会の実現」に資する研究を支援している。
そこで、本集会では推進費を使った研究成果として、基礎研究から社会実装に近い研究まで、北海道の生態系を中心に研究した3つの研究課題の代表者にご登壇いただき、どのような提案でどのような成果を挙げたのか紹介して頂く。その際に、推進費の利点や問題点、さらに若手研究者のみが受けられる革新型研究開発(若手枠)の活用例についても紹介頂くことにしている。
[W27-1]
北海道の沿岸生態系解明のために環境研究総合推進費を活用する
Using the Environment Research and Technology Development Fund to understand coastal ecosystems in Hokkaido
[W27-2]
世界自然遺産・知床周辺海域の海氷変動予測と海洋生態系への影響
Prediction of sea ice and climate change impacts on marine ecosystems in the southern Sea of Okhotsk around Shiretoko, a World Natural Heritage
[W27-3]
環境研究総合推進費の若手枠による海産環形動物の網羅的DNAバーコーディング
Comprehensive DNA barcoding of marine annelids funded by the category for young scientists in the Environment Research and Technology Development Fund