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自由集会 W06
環境の世紀と唱われる昨今、化学物質による環境負荷低減は環境保全における最重要課題の一つであり、化学物質の生態影響評価の必要性は世界的にも認識されている。我が国でも化学物質関連の国内法の整備が急務となっており、2004年度には化学物質審査法、2005年度には農薬取締法が改正され、それぞれ化学物質の登録申請にあたり生態リスク評価データの取得が義務づけられることとなった。
一方、これらの生態影響評価は室内毒性評価を機軸としており、実際場面での生態影響あるいは生物多様性影響の概念からはまだ大きく乖離したものと言わざるを得ない。何より、生態学分野において化学物質が生態系を撹乱している実態を詳細に捉えた研究例は極めて乏しく、その根底には、国内の生態学者のほとんどが化学物質に対する知識も乏しく、関心も薄いという実態がある。
本集会では、現在国内外で行われている法的規準に基づいた生態リスク評価の実態、実際の野外での影響調査結果、モデルによるリスク評価の可能性などを紹介して、化学物質による生態影響に対して生態学者がどのように関わるべきかを議論する。