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自由集会 W18

植物における物質分配の生理生態学

企画者:種子田春彦(東大院・理) 齋藤隆実(東大院・理)、鍋嶋絵里(農工大)、宮沢良行(九大・熱帯農業研究センター)、小口理一(東大院・理)

 光合成産物は各組織へと分配され,植物体の骨格として形を決めることで成長速度を左右する.植物は戦略的にこうした物質分配をコントロールして,生育環境に適応することが知られている.

 物質分配のパターンを決めるしくみは大きく二つの方向で議論されている.ひとつは生理的な応答を中心にした研究で,生育環境に対する分裂組織の活性や植物ホルモンを介した応答を通した形態形成の仕組みを探るものである.もうひとつは適応的な視点からの研究で,生育環境での各器官への資源の分配量が個体の機能と適応度にどのように影響するのかを検討するものである.種間・種内ではどれほどの多様な物質分配パターンがあるのか,そして物質分配にはどんな限界があるのかを系統的に理解するためには,前者の視点から明らかにできる定性的な反応経路と,後者の視点から明らかにできる応答の定量的なレンジとを同時に考慮することが必要だろう.

 本集会では、以上のことを踏まえて,物質分配のパターンとその制御に関わるメカニズムについて理論的に研究されている方々と記載的に研究されている方々の両方に集まっていただき,話題を提供していただく.さまざまな分野の方から議論に参加していただければ幸いである.

日本生態学会