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自由集会 W24
生物集団の時空間変動の研究では,周期的な変動や広域的な空間同調など特徴的なパタンに着目し,そのメカニズムの理解を目指してきた.近年,個体変異データの時系列解析への活用,大規模な長期時系列データの蓄積,時系列解析に関する統計的手法の発展,数理動態モデルの展開といった異なるアプローチからの新しい研究が進みつつある.今回は特に変動要因の違いに着目し,小関による「生活史から生じる変動」,山村氏による「環境による変動」,佐々木氏による「種間関係から生じる変動」の研究を紹介する.
またこの自由集会では,研究アプローチの違いにも着目する.現実の変動データから始まる実証的研究(山村,小関)と,背景にある個体群モデルを想定することから始まる数理モデル研究(佐々木,原田)という反対方向からのアプローチをとる研究者が集まることで,個体群の時空間変動のメカニズムの理解について,今後の研究の展望を議論したい.
コメンテーター:齋藤隆(北大・フィールド科学センター)