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ESJ56 一般講演(口頭発表) N2-01

ゲノム重複による種分化

*清水健太郎(チューリヒ大・理), 石山廣子, 清水(稲継)理恵(チューリヒ大学・理,京大・生態研)


ゲノム倍数化による種分化は、植物・動物・菌類に頻繁にみられる。しかし、生態学的形質への影響、そして適応的意義についての知見は未だ限られている。Ohno (1970)が倍数化と遺伝子重複が新しい形質の進化の原動力だと提唱する一方で、Stebbins (1971)は倍数化によって適応進化が遅れると記した。

これまで研究が限られてきた一因として、親種の同定の困難さが挙げられる。分子系統学的研究には、葉緑体配列や核リボソームITS配列がよく用いられてきたが、片親遺伝や同調的進化のため、全ての親種を同定するには適さない。一方でクローニングによる核遺伝子配列決定は、PCRとクローニング中の人工的な組換えが問題となる。そこで我々は、モデル植物シロイヌナズナのゲノム情報を活かして、各相同遺伝子特異的なプライマーの開発を行ってきた。これまで、アブラナ科シロイヌナズナ属と、その近縁のタネツケバナ属で、何度も平行に倍数化が起こったことを明らかにした。分布、生殖形質や遺伝子発現への倍数体化の影響について議論する。


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