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ESJ56 一般講演(ポスター発表) PA1-006

瀬戸内地方の常緑広葉樹林における環境の変化に伴う群落の推移

*村中 希望 , 藤原 一繪(横国大・環境情報)


中国地方の瀬戸内側,岡山県から山口県にかけての地域は暖温帯気候下のヤブツバキクラス域に属し,コジイ,スダジイ,シラカシ,ウラジロガシを主体とする常緑広葉樹林が成立する.

しかし,岡山県,兵庫県など年降水量1200mm以下の典型的な瀬戸内式気候下では,スダジイ林やタブノキ林は発達しないことが指摘されている(藤原,1986).この地域ではアラカシ林とコジイ林を主体とする群落が認められており,1600mm以上ではスダジイ林やタブノキ林を主体とする群落が発達している.

ところで, 植生の様相が変わるといっても群落の境界部で急に変わるのではなく,群落と群落が接する部分に推移帯が存在し,群落構成種や種数などが少しずつ変わっていき,群落自体の特徴が推移していくのではないだろうか.本研究対象域では群落構成種の出現・分布に東西方向に変化していく何かしらの傾向を見ることができるものと考えられる.

そこで,本研究では中国地方の南部において,気候要因の変化に伴い,群落構成種,特に標徴種・優占種がどのような出現・分布傾向を示すのかを明らかにすることを目的とする.

2007〜2008年にかけて59箇所の植生調査を行い,さらに既存植生調査資料を加えて表組成作業により,植物群落を再検討した.次に,環境経度により各群落構成種がどのように変化するかを検討した.環境に関しては特に本研究対象域における植生の分布に大きく関わっている気候に着目する.


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