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ESJ56 一般講演(ポスター発表) PA1-019

内モンゴルホルチン砂漠における植物社会学的研究

*鮑 娜仁高娃,藤原 一繪(横浜国大)


ホルチン砂地は、中国内モンゴル自治区東部に位置し,東経119°〜123°北緯42.5°〜45°の範囲にある。ホルチン砂地は, 年間平均温度は4−6℃で年間降水量が300−450mmで降水量が多い月は6−8月に集中している。面積が約5.06万平方千メートルで中国4大砂漠の一つとして、砂漠化の激甚地区に指定されている(劉ら,2003)が、かつて緑豊かな疎林草原地帯であった(川鍋 祐夫他,1998)。本地域の砂漠化の進行に関しては、宮坂・厳(2005)は1961年-2000年の間で通遼市後旗地域において砂漠面積が1.8%から23.3%に拡大したことを確認した。現在,中国4大砂漠の中で面積が最も拡大した。砂漠化の将来予測及び進行防止のために基盤となる砂漠植生の記載と,その環境解析は不可欠な課題である。本研究では, 2008年6月及び8月にジープと馬を使いホルチン砂地(1500km)を東西に横断しながら移動沙漠、固定沙漠、岩石沙漠地の6ヶ所108個のBraun-Blanquet(1964)、藤原(1997)に基づく植生調査を行った。

調査結果,Salix psamophylla 群落,Salsola collina群落及びChenopodium acuminatum群落が存在し, Salsola collina 群落とArtemisia udanica群落が発展している.移動砂漠の上部と谷部にはSalix psamophylla 群落が発展し,やや安定した砂地にSalsola collina群落が見られる.砂丘下部には Artemisia holodendron 群落がみられる.人為的影響下でInnula sasaloides群落とSetaria glauca群落などの群落が調査された。これらの群落と土壌堆積,養分,地形の関係について報告する。


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