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ESJ56 一般講演(ポスター発表) PA2-442

フタバガキ科Shorea属2種の遺伝的変異と集団プロセス

*竹内やよい(京大農),清水健太郎(チューリッヒ大)


熱帯に生息するフタバガキ科では、種子に翼があり風散布に適応している種、その翼が喪失し重力散布のみの種など、近縁種間でも種子散布形質に大きな変異がみられる。植物が種子を散布する意義については、個体レベルでの適応度を比較することによって研究が行われてきており、フタバガキ科でも逃避仮説や移住仮説で散布の意義が説明されてきた。では、集団レベルでの意義とは何だろうか。過去の集団プロセスのなかで、種子散布形質は大きな役割をもっていたいのではないか。この研究では、過去の集団の歴史を推定することによって、種子散布形質が集団にどのような影響を与えるかについて明らかにすることを目的とした。

対象としたのは、種子散布形質の異なるShorea属2種S. laxa(重力散布)、S. faguetiana(風散布)である。核遺伝子座7座の塩基配列を決定し、遺伝的変異を解析した。

塩基多様度は、遺伝子座間で異なったが比較的低い値であった。ハプロタイプネットワークや中立性の検定などからは、他のShorea属でも報告されているような最近の集団の拡大が示唆された。また集団の拡大速度についてもそれぞれの種で推定を行った。


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