ESJ56 一般講演(ポスター発表) PA2-616
*三浦佳林(横浜国大・院・環),藤原一繪(横浜国大・院・環),渡邉浩一郎(帝京科学大・環)
湖沼の富栄養化の問題は幅広く認識されているが、栄養塩類濃度の増大は閉鎖性水域に限ったことではなく河川においても年々増大してきている。生活環境に密接している都市河川の汚濁問題は以前からも問題視されているが近年では農村河川の汚染も認められており河川の汚染問題は全国規模にまでなっている。また護岸整備事業が及ぼす植生と水質の変動も懸念されている。これらの問題を解決するためには、河辺植物による浄化手法を確立し河川再生効果としての自浄作用回復による水質浄化効果を伴った小河川におけるエコテクノロジーを活用した水質浄化手法の実現が必要とされる。よって本研究では東京都町田市を源に発し相模湾に注ぐ全長69km流域面積211km2の二級河川であり、下水道計画の遅れ等のよる生活排水の流入によって富栄養化による汚染河川となった経緯を持つ境川と神奈川県横浜市磯子区氷取沢を源に発し東京湾に注ぐ全長12km・流域面積35.6km2の二級河川であり、運河部分の埋め立て事業等の影響により水質の悪化が見られた経緯がある大岡川を調査地と定めた。分析概要として土壌ではpH・EC・全窒素・硝酸態、亜硝酸態、アンモニア態、有機態窒素及び全リン・可給態リンに関する濃度、河川水では前述の土壌分析項目にCOD・DOを加え、可給態リンにかわり正リン酸態リンに関する濃度、植物では硝酸態窒素・全窒素・全リン濃度を分析した。これにより水生植物の栄養塩類と同様の除去効果が境川と大岡川の現存する河辺の植物にあることを証明するため河川流域の河川水の上流から下流にかけて水質を環境解析し現在の状態を明らかにすること及び水質・土壌・植物体の各々の富栄養化に関わる成分分析結果から水質と堆積土壌・植物の関係を考察する。また植生調査から流域における優占種と水質、堆積土との関係を考察することを目的とした。