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ESJ56 一般講演(ポスター発表) PA2-628

都市近郊樹林地における樹洞木の分布及び樹洞営巣性鳥獣類による樹洞利用

*保母桂志(明治大・院・農),倉本宣(明治大・農)


わが国の都市は、国土のわずか数%の土地に人口や産業の大部分が集中し、都市的な土地利用が高密度に集積する空間である。そして高密度な土地利用、環境負荷の集中によって、多様な生物が生息生育できる自然空間は極めて少なく、生物の生息生育の場は水や緑豊かな自然環境を有する空間に限定される。そのため身近な緑地や里山は精神的にも文化的にも豊かに生きるために必要な場所として認識されてきた。また公園緑地は比較的多様な生物群集を保持し、都市の緑を恒久的に担保することから貴重な空間であり、特に大規模な公園緑地は野生生物の生息地としてのコアエリアとして位置づけられる。そしてこの様なことから、近年では公園緑地においても、多くの野生生物によって繁殖の場、ねぐら、休息場として利用され、特に樹洞営巣性鳥獣類にとって重要な資源となっている樹洞木や立枯れ木が伐採されずに保存されてきている。そこで本研究では樹洞木の分布及び鳥獣類による樹洞の利用状況を把握することで、樹洞の存在が、都市域の樹林地に生息する野生生物にどの程度貢献しているかを明らかにすることを目的とした。調査地として都立桜ヶ丘公園と多摩森林科学園を選定し、都立桜ヶ丘公園では2007年5月から12にかけ園内の約18haの範囲を、多摩森林科学園では2008年3月から5月にかけ園内の約15haの範囲を踏査し樹洞木のプロットを行った。また鳥獣類による樹洞の利用状況を把握するため、都立桜ヶ丘公園では2008年1月から随時2009年1月まで計8台、多摩森林科学園では2008年6月から随時2009年1月まで計6台の自動撮影カメラを設置し、撮影を行った。本発表ではこれらの調査結果を報告する。


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