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ESJ56 一般講演(ポスター発表) PC1-339

山形県畑谷大沼におけるDaphnia「群集」の時空間動態

*阿部周,野村篤之,牧野渡,占部城太郎(東北大・生命)


Daphnia属は濾過食者であり、異なる種でも利用する餌資源が同じであるなど、Daphnia種間でニッチは大きく重複する。このため、同一湖沼で複数のDaphnia種が生息する場合、種間で生息空間や繁殖する季節が異なっている場合が多い。山形県白鷹湖沼群の畑谷大沼は水深4mほどの小さな沼であるにも関らず3種のDaphniaD. dentiferaD. pulexD. galeata)が分布している。従来の理論に従えば、これら3種は畑谷大沼で時空間的に棲み分けて生息しているはずである。このことを検証するために、2008年5月から10月までの間、週一回の間隔で水深別調査を行った。その結果、D. pulexは他の2種との時空間分布の重複は小さく、春から初夏にかけて出現し深層に生息していた。しかし、D. dentiferaD. galeataはともに調査期間を通じて全層に出現した。このため、この2種は近縁であるにも関わらず時空間分布の重複が大きく、畑谷大沼の両種の生息は従来の理論では説明できないことが判った。


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