ESJ56 一般講演(ポスター発表) PC1-411
杉浦秀樹(京都大・野生動物), 早川祥子(京都大・霊長研)
2008年7月に野生ニホンザルの1群の消滅が観察された。ニホンザルの群れの消滅過程をこれまでの事例と比較する。また、サイズの小さな群れは、生存や繁殖において不利かどうかを検討する。
屋久島西部海岸地域には、高密度にニホンザルが生息しており、長期研究が続けられている。B群は、2007年8月には成体メス2頭、成体オス2頭の非常に小さな群れになっていた。2008年7月にB群の成体メス2頭が隣の群れに入っているのが確認され、群れとしては消滅したことが確認された。
B群は死亡率は高くなかったが、出産率が低く、子供が生まれずに徐々に頭数を減らしていった。このパターンは、これまで同地域で観察された4例とも共通する。
群れサイズと繁殖パラメータを比較し、小さい群れは、生存や繁殖に不利なのかどうかを検討する。