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ESJ56 シンポジウム S19-4

タワーフラックスネットワークから見える陸域生態系の炭素収支

平田竜一(農環研)


現在、タワーを用いた渦相関法によるフラックスの連続観測を実施している観測地(サイト)は400を超え、東アジアにおいても50を超えるようになった。各サイトの論文やデータの蓄積も進んできており、次の研究段階として、サイト間比較などの統合解析が可能な状況となってきた。サイト横断解析により、環境変動に対する生態系の応答や、気候や生態系による炭素吸収能の相違、樹齢・遷移・撹乱が炭素収支に与える影響などを明らかにすることが可能となる。また、多様な気候帯・生態系から収集されたデータは、広域評価や将来予測のためのモデルおよびリモートセンシング評価法の構築・検証などにも用いられる。近年、Fluxnetで世界各地のフラックスデータを収集したデータベースが構築され、統合解析研究が大きく進んでいる。アジアにおいても、AsiaFluxや日中韓フォーサイト事業などの国際的共同研究が進められつつある。本発表では、これまでいくつかのプロジェクトや共同研究によって実施されたタワーフラックスの統合解析研究の紹介を行い、東アジアの陸域生態系の炭素収支を制御している環境要因の解明と地球温暖化の影響評価・検出について議論を行いたい。


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