ESJ56 企画集会 T08-6
田中規夫(埼玉大大学院)
河道内樹林は、河道の流下能力を減少させたり、樹林帯を迂回した流れが堤防の安全性を低下させたり、洪水時に破壊された場合には流木の生産源となる等、負の側面を持つ。その一方で、河岸侵食の防止や流木・漂流物を捕捉することで災害低減に貢献する等、治水面でも正の効果を併せ持つ。藪の場合には、流れそのものに対する影響は樹林よりも少ないものの、土砂を堆積させることにより、長期的には大きな影響を生態学的側面だけではなく治水面にも与えることが予想される。本まとめでは、生態学的側面と治水的側面から、今後の藪や樹林の管理に関する方向性について、討論を行う。