ESJ56 企画集会 T11-3
川村 健介(広島大・国際協力)
中国内蒙古草原では畜産需要と人口の増加および定住化等によって,環境収容力を超えた家畜数の放牧による過放牧の影響で砂漠化が進行している。そのため,牧畜を営む牧民の生活を成立させつつ同時に草原生態系の維持・保全を可能にする手法の確立が求められている。草原の保全と持続的利用の両立を果たすためには,潜在的な生産力に見合った地域ごとの牧養力の推定と,年ごとの気象条件に対応した草生産の現状をリアルタイムで表示することが重要である。このため,広域を定常的に観測可能な衛星リモートセンシング技術への期待が大きい。そこで本発表では,(1)人工衛星を利用した中国内蒙古草原の植生変動モニタリングによる土地劣化の把握と,(2)リモートセンシング,GPS,GISのツールを組み合わせた草の生育に与える放牧圧の影響評価の試みについて報告する。