ESJ56 自由集会 W22
3月17日17:15-19:15 L会場
企画者: 増沢武弘(静岡大・理)
過去何回かの氷期に北極域から日本列島へ分布を広げて来た植物群は周北極要素の植物と言われている。バラ科のわい性低木であるチョウノスケソウ(Dryas octopetala)はその代表的な植物である。この植物は氷河の移動とともに分布の拡大・縮小を繰り返したため、ドリアス期と氷期の名前にもなっている。
日本列島におけるチョウノスケソウの発見は、岩手県が生んだ須川長之助の功績によるものであるが、その学問的基礎を与えたマキシモビッチの貢献も多大なものである。ここでは須川長之助がたどった植物学への道とロシアの植物学者マキシモビッチの人物像について解説を行う(泉舘、須田)。これをふまえ、現在の北極圏から日本列島に至るまでのチョウノスケソウの分布、およびその群落構造と特徴について解説し総合的な討論を行う(佐藤、和田、増沢)。
協力およびコメンテーター:吉田勝一(岩手大ミュージアム)
はじめに 増沢武弘(静岡大・理)
須川長之助の生い立ち 泉舘重雄(須川長之助顕彰会)
須川長之助とマキシモビッチ 須田裕(岩手大・名誉教授)
チョウノスケソウの分布 佐藤謙(北海学園大)
チョウノスケソウの生態学的特性 和田直也(富山大・理)
南限のチョウノスケソウ群落 増沢武弘(静岡大・理)
総合討論 増沢武弘(静岡大・理)