ESJ57 自由集会 W05
3月15日15:00-17:00 I会場
企画者: 小南裕志
現在、森林のCO2吸収量測定のために気象観測タワーを用いたCO2フラックス観測が世界各地で行われている。これと並行してチャンバー法を用いた土壌呼吸等の交換表面のCO2交換量の観測も数多く行われている。また収穫試験地に代表されるような森林への樹体成長調査や大規模な土壌炭素調査による炭素蓄積調査も行われている。今後、これらの複数の手法の相互の補完による精度向上の検討や、環境因子と生物間の相互作用の定量化が必要である。京都府南部、木津川市の落葉広葉樹二次林(山城試験地)では1999年から気象観測タワーを用いたCO2交換量の測定が行われている。これと並行して1994年から5年ごとの毎木−枯死木調査を行いさらに葉、枝から細根にいたるまでの植物の生産量、CO2交換量や、枯死木から葉リター、枯死根にいたるまでの土壌圏有機物の収支やCO2放出量の観測を行ってきた。さらに分解モデルと年輪解析を組み合わせた森林の長期炭素蓄積速度推定にも取り組んでいる。本自由集会では、これらの知見をもちいてそれぞれの手法の問題点と相互補完の可能性について議論、検討を行いたい。
タワーフラックスによるNEE推定の問題点と展望 小南裕志(森林総合研究所・関西)
土壌炭素収支における根系の役割の評価、およびその手法開発 牧田直樹(神戸大学・自然科学)
土壌炭素収支におけるさまざまな分解プロセスの定量化 安宅未央子(京都大学・農)
森林の炭素蓄積速度の長期推定の必要性とその手法 上村真由子(日本大学・生物資源)