ESJ58 一般講演(口頭発表) C2-04
*塩見正衛(茨城大)・陳俊(西北農林科技大)・佐々木彩(茨城大・理工)
群集や構成種が形成している空間分布は、群集の形成プロセスや立地条件によって異なるので、空間分布は、これらの解明に欠くことができない特性であると考えている。
草地群集では、一定小面積当たり(たとえば、10cm2、2500cm2など)のある種の出現頻度(離散量)、出現密度(離散量)、被度(連続量)、種数(離散量)、種構成(連続量)、バイオマス(連続量)など種々の群集特性において空間的な不均一性が存在している。本報告では、種および群集全体が示す「バイオマスの空間分布」について示す。(バイオマス以外の特性についてはすでに報告した)
(1) バイオマスの頻度分布は、ガンマ分布に従う(理論分布でも調査デ-タの分布でも);
(2) バイオマスの空間分布の不均一性レベルを示す指数は、ガンマ分布の一パラメ-タpで表現できる。pは(平均値)*(平均値)/分散と等しい。この指数は、Shiyomi and Yoshimura (2000)が出現頻度に対して導いた指数から導出したものであるが、結果は変動係数の2乗の逆数に一致している;
(3) バイオマスの空間分布におけるランダム分布(直観的には分かりにくい)とは何かを考えるとき、p=1のガンマ分布がランダム分布であること、が明らかになった。この指数を使って、バイオマスの空間的不均一性の判定を行う。
最後に、ガンマ分布に一致する草地群集の例を2~3示す。