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ESJ58 一般講演(口頭発表) E1-05

寄生蜂ゾウムシコガネコバチにおけるhost constancy

*石井弓美子(国立環境研),嶋田正和(東大・広域システム)


多くの寄生蜂で匂い学習は餌の探索に重要な役割を果たしている。ゾウムシコガネコバチ Anisopteromalus calandraeは豆内の近縁な2種のマメゾウムシ幼虫(アズキゾウムシ Callosobruchus chinensis, ヨツモンマメゾウムシ C. maculatus )を匂いで区別し、産卵を経験した寄主に対して選好性を示す。2種類の餌の頻度が時間的に変化するとき、寄生蜂の匂い学習が寄生蜂の連続した採餌行動にどのような影響を与えるかを、2種マメゾウムシの頻度を変えて調べた。

その結果、ゾウムシコガネコバチは頻度の高い寄主を学習し選択的に寄生した。さらに餌頻度が変化すると寄主選好性を増加した寄主に切り替えることができたが、切り替えには1日以上の時間的な遅れが見られた。アズキゾウムシとヨツモンマメゾウムシはゾウムシコガネコバチの寄主として同程度の価値があると考えられるにも関わらず、学習により選好性が一方の寄主に偏った。このような寄生蜂の学習は、訪花昆虫に見られるflower constancyのように、寄生蜂でも一定の期間同じ種類の寄主に連続して訪問するhost constancyを引き起こすと考えられる。これらの結果からゾウムシコガネコバチにおける匂い学習と効率的な採餌行動について考察する。


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