ESJ58 一般講演(口頭発表) I1-05
工藤芳文*(鹿大,理工学), Zaenal Mutaqien(チボダス植物園), 鈴木英治(鹿大 理工学)
高い生物多様性を持つ熱帯域の国立公園で生物多様性を減少させる可能性のある移入種の分布を調べた。
調査は2009年と2010年の10-11月に、西ジャワ州のハリムン・サラック山国立公園(HS)とゲデ・パンゲランゴ山国立公園(GP)で行った。公園内の各3所で各数kmの山道沿いに50mごとに移入種の有無と被度、周辺林冠の被度、最大樹高を調べた。
対象移入種は34種で、HSのチカニキで15種、カバンドゥンガンで17種、サラクでは11種あった。この3地点でEupatorium inulifolium と Clidemia hirtaは広く分布し被度も高かった。
GPのボドゴ-ルでは16種あり、C. hirta, E. inulifolium, と Maesopsis eminiiが優占した。Cerstrum aurantiacum, C. hirtaは下部のみ分布していた。チボダスでは17種があり、Eupathorium riparium, E. sordidum, Brugmansia suaviolens, が最優占していた。特にBrugmansia suaviolensは川辺で優占する傾向があった。サラビンタナでは14種あり、E. riparium, Brugmansia suaveolens, C. hirta が優占していた。
HS優占種のE. inulifolium と C. hirta はGPでも優占し、危惧すべき移入種であろう。しかしDCAにより、調査区間の移入種を比較すると構成はかなり異なっていた。この差異はE. sordidum と B. suaviolensの影響していた。特にチボダスとサラビンタナでこの二種はHSで最優占の二種よりも優占していた。