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ESJ58 一般講演(口頭発表) I2-07

Sagebrush (Artemisia tridentata)における植物間コミュニケ-ションの季節効果

*塩尻かおり(京大・次世代),石崎智美(北大院・環境科学),室井敦(京大院・理学),Richard Karban(UC Davis, Entomology)


植物の抵抗性や昆虫の発生消長は季節的に変化するため、植物と昆虫の相互作用は季節的に変わる。植物が植食者の被害を受けて抵抗性を誘導したり、近隣の食害された植物から放出される揮発性物質を感知して抵抗性を誘導したり(植物間コミュニケ-ション)する現象は知られているが、それらの季節な変異については知られていない。

我々はこれまでにセ-ジブラシ(Sagebrush:Artemisia tridentate)が近隣個体が傷つけられたときに、その個体から放出される匂いを受容して、より植食者に対する抵抗性をもつこと(植物間コミュニケ-ションすること)を明らかにしてきた。本講演では、セ-ジブラシを用いて野外における食害圧と植物間コミュニケ-ションの季節的変化の関係性について話す。

セ-ジブラシは新葉展開直後(5月)にもっとも多くの食害をうけていた。また、誘導抵抗性も季節的な変化があり、食害圧の最も高い5月頃に近隣の被害植物の匂いを受容したセ-ジブラシがもっとも誘導抵抗性をもった。以上の結果より、植物間コミュニケ-ションによる誘導抵抗性の季節的変化は昆虫の発生消長と相関していることが明らかなった。


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