ESJ58 一般講演(ポスタ-発表) P1-019
*中井亜理沙,木佐貫博光(三重大院・生物資源)
河川沿いに生育するネコヤナギの生残と個体サイズに及ぼす要因を明らかにするために,長さ20cmの1年生枝を河川沿いの砂礫堆にさし木し,さし木苗の生残および生育期間終了時のシュ-ト長,植食者による食害の有無を調べた.地表面の浸水時間は植栽直後にはさし木苗の生残に負の効果を示したが,3ヶ月後では正の効果を示した.苗の生残に対して昆虫害は正の効果を呈したが,ウサギ害は影響していなかった.萌芽性樹木に対する枝葉の食害は,樹木の蒸散面積を減少させるため,さし木苗の生残に間接的に貢献するかもしれない.生育期間終了時のシュ-ト長には浸水時間だけが正の影響を呈した.ネコヤナギさし木苗は,生育期間初期では浸水時間が短い水際に近い立地ほど定着が困難であるが,3ヶ月後には浸水時間が長いほど定着と成長が促進されるものと考えられる.