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ESJ58 一般講演(ポスタ-発表) P1-153

自然農法圃場における窒素動態-15Nを用いた窒素の移動と植生による吸収

*八木岡敦,小松崎将一,浅木直美(茨城大・農),上野秀人(愛媛大・農),金子信博(横国大・環境情報)


化学肥料や農薬、大型機械による耕うんを前提とした現代の農業体系は作物の生産量の増大に貢献した一方、それに伴う生物多様性の減少、肥料の溶脱による地下水汚染といった問題を引き起こしている。一方、不耕起で草を生やし、少量の有機質肥料の投入によって作物生産をおこなう自然農法は、土壌有機物の増加やそれに伴う土壌生物の増加、養分循環といった点で、投入が少ないにも関わらず作物生産が可能となり、近年注目されている。しかし、自然農法圃場における土壌の養分動態については報告されていない。本研究では、不耕起草生圃場における窒素、リンの動態に加えて、15Nを用いた実験により窒素の垂直移動、水平移動を明らかにすることを目的とした。

実験は茨城大学FSセンタ-内の圃場にて実施した。処理区として耕起の有無、肥料(米ぬか)の有無の計4水準、4反復を設定し、カボチャとインゲンを栽培した。窒素、リンに関してはすべての区について0-90cmを6層に分けて調査した。また、15Nを用いた実験は、無施肥区で実施し、主に耕起の有無と草生による影響について調べた。6月に重窒素トレ-サ- をカボチャから1.5mの地点に添加し、添加した地点から0m,0.25m,0.5m,1m,1.5mの5地点の0-30cm の土壌をとり、肥料の水平移動を調べた。同時に、草生区では植生による吸収量として、植物体と根に含まれる15Nを調査した。また0m地点については0-30cm,30-60cm,60-90cmの3層に分けてサンプリングし、肥料の垂直移動について調べた。サンプリングは6月、8月、10月の計3度実施した。今回はその結果について報告する。


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