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ESJ58 一般講演(ポスタ-発表) P1-342

放射線の生態系影響を考える -microcosmへの連続照射の場合-

*川口勇生, 土居雅広, 府馬正一(放医研)


放射線防護はヒト中心の枠組みであったが、近年、ヒト以外の生物に対する影響への関心が高まってきている。しかし、生態系影響研究は、1回照射の毒性試験に基づく個体影響研究が多く、種間相互作用はほとんど考慮されていない。当研究所では、Euglena(生産者)、大腸菌(分解者)、Tetrahymena(消費者)の3種から構成されており、1年以上自律して存続できる閉鎖生態系である微生物生態系(マイクロコズム)に放射線を照射し、生態系影響について研究を行っている。1回照射による放射線に対する感受性は、単独培養への照射実験から、大腸菌>Euglena>Tetrahymenaの順に高く、3種混合培養の場合でも同様であった。これらの結果を元に構築した個体ベ-スモデル(SIM-COSM)及び3種系決定論モデルによる解析から、連続照射の場合には、どちらのモデルも捕食者であるTetrahymenaが餌となる大腸菌よりも感受性が高くなると予測された。しかし、連続照射実験から3種の感受性は急性照射の場合と同様に大腸菌>Euglena>Tetrahymenaとなることが分かってきた。そこで、本発表では、連続照射実験の結果を受けて、SIM-COSM及び決定論モデルを改良した結果を報告する。


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