ESJ58 一般講演(ポスタ-発表) P1-343
*近藤慶一(名城大・院・農学), 松本和馬(森林総研・多摩森林科学園), 日野輝明(名城大)
皆伐による薪炭林の管理がオサムシ科甲虫群集に与える影響を明らかにすることを目的として,兵庫県猪名川町の里山においてピットフォ-ルトラップを用いたオサムシ科甲虫の調査を行った.調査期間は2007年から2010年であり,現在でも薪炭林管理として皆伐が行われている管理林(皆伐後1年,3年,7年※2007年時点),および管理が行われていない2種の森林(放置林,アカマツ林)の3種の森林で採集されたオサムシ科甲虫群集の比較を行った.また管理林については,皆伐後の年次経過がオサムシ科甲虫の個体数および種数に与える影響を評価した.
その結果,採集されたオサムシ科甲虫の種数は管理林で高い値を示した.管理林内では,皆伐直後にあたる皆伐後1年生の森林で種数は低く,その後2-5年生の森林で高い値を示し,7年以降の比較的年次の高い森林では低い値を示した.
従って皆伐による薪炭林管理によって皆伐後の年次経過の浅い森林が存在し,オサムシ科甲虫の多様性が高いことが考えられる.