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ESJ58 一般講演(ポスタ-発表) P2-034

三宅島の火山灰堆積地における植生と中大型ミミズ類の関係

*久保栄子(筑波大・生),上條隆志(筑波大・生),金子信博(横国大・環),東亮太(筑波大・生)


三宅島は、2000年7月に噴火し、その際大量の火山灰と火山ガスによって、大規模に生態系が攪乱された。火山灰によって裸地化された土地では、現在植生発達が進行している。本研究では、生態系発達における土壌動物と植生の相互作用に着目し、火山灰堆積地の回復状況の違う13地点において植生・土壌・ミミズ量を比較し、ミミズと植生発達との相互関係を明らかにすることを目的とした。

調査は、地点ごとに10m×10mの調査区を設置し、植生調査、毎木調査、土壌pH測定等を行い、ミミズに関しては、それぞれの調査区内5か所で個体採集を行った。

確認されたミミズは、ヒナフトミミズと、ヘンイセイミミズなどの地中性であり、地表性のものは確認されなかった。各地点のミミズ個体数と群落高、全樹木の合計BAの間には有意な相関がみられた。三宅島での優占種であり、窒素固定植物であるオオバヤシャブシのBAに対しても有意な相関がみられた。一方、下層の優占種であるハチジョウススキに対しては、有意な相関はみられなかった。

ミミズの個体数と、植生発達度合を示す植生群落高及びBAとの間に、有意な相関がみられたことから、植生発達に対応してミミズは増加すると考えられた。また、窒素固定種であるオオバヤシャブシは特にミミズの存在量と関係している可能性がある。


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