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ESJ58 一般講演(ポスタ-発表) P2-080

都市緑地とその周辺環境における鳥類利用の季節変化

*村田麻理恵(鳥取大・院・地域),永松大(鳥取大・地域)


都市における緑地は,多様な生物が生息できる自然環境として重要性が高まってきている。例えば鳥取市の市街地にある鳥取大学構内約50haでは、15目38科122種の鳥類が確認されている(村田ら 2011)。鳥類の種数には樹林地そのものだけでなくその周辺環境も影響するが、鳥類生息の核となる都市緑地と緑地周辺の環境要素間の鳥類利用に関する関係性について議論したものは少ない。そこで本研究では,都市緑地である鳥取大学構内とその周辺環境の鳥類相について越冬期と繁殖期に調査し,都市緑地とその周辺環境間の鳥類利用の関係性について検討することを目的にした。

鳥取大学構内とその周辺地域において,住宅地,草地,農地,水域,二次林など,地域の代表的な環境要素を含むように場所を選び,計66区間(1区間約75m×50m)を設定した。調査はル-トセンサス法で行った。2009年12月-2010年2月を越冬期,2010年5月-7月を繁殖期とし,それぞれ3回ずつ調査を行った。確認された鳥類を一般的な記載から6鳥類タイプ(森林性,中間型,草原性,住宅地型,水鳥,ヨシ原性)に,調査区間を環境要素別に9環境タイプ(二次林,ヨシ原,水域,農地,植栽地,草地,芝草地,工場,住宅地)に分類し,鳥類の環境タイプ利用について検討した。

越冬期には周辺環境で46種1826個体,鳥取大学構内で22種369個体が確認された。繁殖期には周辺環境で43種802個体,鳥取大学構内で24種185個体が確認された。水鳥は水域を主に利用するなど,鳥類タイプと環境タイプは一致することが多かった。しかし,利用環境が限定される鳥類タイプ(ヨシ原性の種),季節間で利用する環境タイプが異なる鳥類タイプ(森林性,中間型など)などもあり,都市緑地と周辺環境間の鳥類利用にいくつかの組み合わせが整理された。


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