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ESJ58 一般講演(ポスタ-発表) P2-175

エゾヤチネズミの北海道集団における遺伝的多様性と空間的遺伝構造

*菅家恵未, 銭谷純平(北大・環境科学院), 石橋靖幸(森林総研・北海道), Anna Pauline de Guia(フィリピン大学), 大西尚樹(森林総研・東北), 河合久仁子, 齊藤隆(北大FSC)


北海道に生息するエゾヤチネズミ(Myodes rufocanus)は、行動範囲が狭く分散能力に乏しいことから、各集団は特異的な遺伝的構造を示し、また、3~4年周期の個体数変動を示すことから、各集団は何度もボトルネックの影響を受け、その遺伝的多様性は低いと予測される。そこで本研究では、この予測を検証するため、北海道内の35地点から採集された約700個体のmtDNA調節領域を分析し、各集団の遺伝的構造と遺伝的多様性を解析した。その結果、各集団はそれぞれ特異的な遺伝的構造を示した。しかし、遺伝的多様性においては、170種類以上のハプロタイプが見つかり、予測に反して、各集団におけるハプロタイプ多様度は高い値を示した。このきわめて高い遺伝的多様性を導いている要因について、生態学的視点と進化的視点の双方を考慮し、考察を行う。


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