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ESJ58 一般講演(ポスタ-発表) P2-302

エゾシカ密度の低下に伴う林床植生の変化-阿寒国立公園での事例-

*稲富佳洋(道総研・環境研)・宇野裕之(道総研・環境研)・高嶋八千代(道教大・釧路)・鬼丸和幸(美幌博物館)


北海道東部地域におけるエゾシカの生息密度は、メスジカ狩猟の規制緩和等によって1998年度以降に一旦減少したものの、2002年度頃から再び増加し、2009年度は過去最高の個体数に達したことが推定されている(北海道2010)。北海道東部地域の阿寒国立公園では、2004年度から(財)前田一歩園財団によるエゾシカの生体捕獲事業が実施されており、航空機調査(宇野 未発表)や糞粒調査の結果からは、2002年以降も個体数の増加傾向は見られていない。一方、阿寒国立公園では、エゾシカが植生に与える影響を評価するために、1995年に7か所の囲い区と隣接する非囲い区を設け、継続的に植生調査が行われてきた。

本発表では、阿寒国立公園におけるエゾシカの生息密度を高密度期(1995-1998年度)、密度減少期(1999-2004年度)、低密度維持期(2005-2010年度)の3期間に大きく区分し、非囲い区における3期間の林床植生を比較することによって、エゾシカ密度の低下に伴い林床植生がどのように変化したのかを評価する。

なお、本研究の一部は、三井物産環境基金研究助成「生態系管理のためのエゾシカによる自然植生の影響把握と評価手法の確立」により実施された。


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