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ESJ58 一般講演(ポスタ-発表) P2-308

沖縄島北部やんばる地域の固有鳥類ノグチゲラ・ヤンバルクイナ・ホントウアカヒゲの分布決定要因

*小高信彦(森林総研・九州),高嶋敦史(琉大・農),城間篤(辺土名高,現沖縄県自然保護課),大城勝吉(やんばる学びの森),比嘉鶴見(東村博物館),福田真(環境省・やんばる),八木橋勉(森林総研・東北)


沖縄島北部やんばる地域に唯一の個体群を持つ固有鳥類3種ノグチゲラ、ヤンバルクイナ、ホントウアカヒゲ(以下アカヒゲ)の分布決定要因を明らかにするため、植生被覆と外来種侵入を説明変数とした樹形モデルを用いた解析を行った。2007年の繁殖期、環境省3次メッシュごとに調査地点を1地点配し、合計265地点においてプレイバック法による3種の分布調査を実施した。調査地点を中心とした円内の植生被覆面積を環境省自然環境情報GISより集成し計算した。外来種については、環境省と沖縄県の事業デ-タから、調査地点のある3次メッシュ毎に集計したマング-ス、ネコ、クマネズミのCPUE(捕獲効率)の2006年度の値を用いた。また、調査地点の標高を説明変数の一つとして用いた。樹形モデルによる解析の結果、ノグチゲラとアカヒゲは、照葉樹林の被覆率が高く、森林の質が高いと考えられる高標高の地点で密度が高いと推定された。いっぽう、ヤンバルクイナでは、一定以上照葉樹林の被覆がある場合、草原や畑地面積が多い方が、生息密度が高まると推定された。外来種マング-スは、固有鳥類3種すべての生息に影響を与えていると考えられ、その程度は、ヤンバルクイナが最も大きく、アカヒゲ、ノグチゲラと続き、マング-スのCPUEの高い場所で生息密度が低下すると推定された。キツツキ類であるノグチゲラにおいてもマング-スの影響は大きいと推定され、森林面積などの生息条件が満たされている場合でも、マング-スのCPUEが0.205を越えた地域では、生息密度が約70%低下する場合があると推定された。発表では2010年の調査結果をあわせて報告する。


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