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ESJ58 一般講演(ポスタ-発表) P3-002

中国毛烏素沙地における臭柏(Sabina vulgaris)群落のクロ-ン構造

*山口由真(岡大院・環境), 廣部 宗(岡大院・環境), 兼子伸吾(京大院・農), 三木直子(岡大院・環境), 井鷺裕司(京大院・農), 楊 霊麗(岡大院・環境), 張 国盛(内蒙古農業大), 王 林和(内蒙古農業大), 坂本圭児(岡大院・環境), 吉川 賢(岡大院・環境)


中国毛烏素沙地で優占する植生の一つである臭柏は、匍匐型の生活形をもつヒノキ科の常緑針葉樹であり、しばしば直径50mを超える密な群落を形成する。しかし、群落内の個体を形態的に判別することは困難であり、これらの群落が匍匐枝の成長による個体の拡大または匍匐枝の分断による栄養繁殖で広がった少数の大クロ-ンからなるのか、種子繁殖による多数の小クロ-ンからなるのかは不明である。本研究では、臭柏群落のクロ-ン構造を明らかにすることを目的とした。

中国内蒙古自治区烏審旗の臭柏群落内において3種類のプロット(プロット?:80m×100m、?:?と80m×20mが重複する88m×24m、?:?、?内部の10m×10m)を設置した。各プロットは10m、4m、1mの方形区に分割し、方形区の格子点において遺伝解析用のサンプルを採取した。採取したサンプルはS. vulgarisで開発した4座のマイクロサテライトマ-カ-により遺伝子型を決定し、クロ-ン構造の解析を行った。

解析の結果、プロット?では41クロ-ン、プロット?では34クロ-ン、プロット?では24クロ-ンが確認された。また、これらの各クロ-ンの大きさ(分布範囲)は様々であった。独自の遺伝子型を示し、ごく限られた範囲にしか分布しないと推測されるクロ-ンがある一方で、2つの遺伝子型については10m間隔で隣接する8格子点で確認され、これらのクロ-ンは300?にわたって分布することが示された。これらの結果から、臭柏群落は多数の多様な大きさのクロ-ンで構成されており、群落の形成と維持には栄養繁殖と種子繁殖の両方が寄与していると考えられた。


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