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ESJ58 一般講演(ポスタ-発表) P3-057

葉の炭素含量をアグリエキスパ-トで推定できるかどうか

*水崎大二郎,梅木清,本條毅 (千葉園芸)


植物個体の形質のなかでも、葉は光合成器官であり、光合成能力と葉の形質が関係していることから、葉の形質は大変重要視されてきた。葉に含まれている炭素含量は、葉の重さを成り立たせている最重要成分である。よって、仮に簡便に測定できるとすると、植物生態の大なる発展を期待できる。本研究ではこの方法で窒素含量を推定することを目的に商業販売されているアグリエキスパ-ト(サタケ)を用いて、炭含量を推定できるかどうか、デ-タと統計を用いて考察した。

材料はヤブニッケイ、タブノキ、シロダモ、スダジイ、ヒサカキの5種類で、すべて林床に生息している樹高3m以内の稚樹である。測定は年6度おこなった。数個体から十数枚の葉を採取し、アグリエキスパ-トを葉一枚あたり5点測定した。5 回の測定の平均をその葉の値とした。一枚ずつその後葉面積を測定してから、CNコ-ダ-(ヤナコ)を用いてC/N比を測定した。単位面積当たりの炭素含量を計算した。アグリエキスパ-トで測定した4種類の吸光度を線形モデルで葉の炭素含量を説明するモデルと、それにランダム変数を入れたものと2つ作成した。

ランダム変数のない正規回帰モデルの決定係数は、ヤブニッケイ、シロダモは0.3、スダジイ、ヒサカキは0.4半ば、タブノキは0.6とそこそこであった。あえてランダム項の値を含めると、ヤブニッケイ、シロダモ、ヒサカキは0.75以上まで上昇し、タブノキは0.7、スダジイは0.55と上昇した。

このことから、測定日ごとのランダム変数の要因によっては、光で炭素含量を非常に精度よく推定することができる可能性があることがわかった。使用する光のスペクトルの種類と数によっては非常に高い性能で炭素含量を非破壊的に簡便に測定することができうると予想する。


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