ESJ58 一般講演(ポスタ-発表) P3-176
*江口章子,島田知彦,今村彰生(京都学園大 バイオ環境)
京都府亀岡市の水田地帯にはニホンアマガエル、ナゴヤダルマガエル、トノサマガエル、ツチガエル、ヌマガエルの5種が同所的に生息しているという、現在の日本の水田地帯としては希少な環境を擁している。冬眠明けから冬眠するまでの期間について、カエル群集の構造の変化、餌動物相の変化、食性の変化について、詳細に調査し、種内や種間の競争関係などの解明を目指した。
2010年4月から11月にかけて11回のカエルの捕獲調査を行い、36個体のニホンアマガエル、138個体のナゴヤダルマガエル、37個体のツチガエル、98個体のトノサマガエル、173個体のヌマガエルの計482個体のカエルの胃内容、胃内容の湿重量、頭胴長、口幅、体重、を調べた。胃内容からは約5000個体の餌動物が検出された。
捕獲されたカエルの体サイズ分布の計時変化をみたところ、7月下旬の水田の中干しの前後で、5種のいずれについても、成体サイズから幼体サイズへと変化していた。したがって、胃内容物の組成とその季節変化について、体サイズを組み込んだ解析が必要とされることが明らかになった。その上で、体積による重みづけと分類学的距離で重みづけをそれぞれおこない、それらの類似度について解析し、その結果を報告する。