ESJ58 一般講演(ポスタ-発表) P3-190
杉浦秀樹(京都大学 野生動物研究センタ-)
屋久島の西部海岸地域は、約100頭/km 2の高密度でニホンザルが生息している。この地域の約4km2に住む、約10群の長期調査の結果から、ほとんどの群れが、長期に渡って徐々に北に移動し続けていることが明らかになった。この移動を定量的に記述すると共に、その原因について考察する。
このような移動の起こる前提条件として、ニホンザルの群れが高密度でぎっしりと分布し、群れ同士の関係が、敵対的であることが挙げられる。隣接群からの圧力を受けて、行動域が移動すると考えられる。
南から北への移動は、南の地域でより個体数が増大していることが考えられるが、出産や個体数変動のデ-タからこの可能性を検討する。また、北部と南部の生息環境の違いについても検討する。