ESJ58 一般講演(ポスタ-発表) P3-HS05
阿部敏明(東北学院中学校・高等学校)
本研究は,オオクワガタの幼虫発育について,25℃と20℃の温度条件下で飼育することにより,個体間でみられる発育の差を調査することが目的である。さらには,20℃で飼育する期間を1カ月間に限定し,その期間を段階的に変化させることによって,幼虫に与える影響も合わせて調査することにした。幼虫は,人工飼育(菌床飼育)を行い,市販の菌糸ビンを使用し,一定の湿度条件下で飼育された。幼虫の発育状況については,菌糸ビン重量の比較,食痕の有無,菌糸の色の変化などから判断することにした。幼虫の重量測定は,できるだけ幼虫にストレスを与えないようにするため,菌糸ビン交換のタイミングに限定しておこなった。飼育を開始してから約2カ月が経過した現時点において,25℃と20℃では幼虫発育に顕著な差がみられ,特に25℃で飼育した幼虫は,雌雄判別が可能な段階にまで大きく成長しているものが多かった。今後も,主に菌糸ビンの外観に基づく経過観察を続けることで,温度変化が幼虫発育あるいは蛹化や羽化にどのような影響を及ぼすのか調査していく予定である。