ESJ58 一般講演(ポスタ-発表) P3-HS10
原悠歌,井上智香子(ノ-トルダム清心学園 清心女子高等学校)
外国から移入されたカメの生態系への影響が心配されている。近年、カミツキガメやワニガメなどがヒトに危害を与える可能性があるということで、特定動物に指定されているが、カメの仲間で生態系への影響を最も懸念されているのはミシシッピアカミミガメである。その理由は、「ミドリガメ」という名で、ペットとして多い時は年間100万匹以上が日本に輸入され、把握できないほど多くの個体が全国各地に生息している状況に陥っているからである。
この状況を踏まえて、その行動を解析し、ミシシッピアカミミガメの在来種のクサガメへの影響を調べることを目指した。方法は、(1)標識再捕法(捕獲個体を標識し、再捕獲できた場所を記録)と(2)テレメトリ-法(小型発信器取り付けた個体を受信機で追跡)を使った。調査デ-タから?行動範囲,?移動パタ-ンを解析した。
今回の調査で分かったことは、?現在の両種の生息数の比は約1:1の比にまで至っており、ミシシッピアカミミガメがクサガメを駆逐している状況にある。?ミシシッピアカミミガメの方が行動範囲が広い、?両種ともコンクリ-ト化された水路より、コンクリ-ト化されていない水路を好む傾向があること等が判った。