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ESJ58 一般講演(ポスタ-発表) P3-HS14

森を測る ?森林構造と光合成?

池田智代子,星野萌絵(早稲田実業学校高等部)


私達のこれまでの調査で浅間山麓の落葉樹林には、上層にコナラ、中層にヤマウルシ、下層にコナラとヤマウルシの稚樹があり、中層にはコナラがないことがわかった。この理由をヤマウルシ等の中層木が繁茂した森林内ではコナラの稚樹が育ちにくいのではないかと考え、現在の状況下でコナラの稚樹は成長できるかを光環境と生産量の面から調べ、この森林がどう推移していくか考察することを目的とした。調査では、上層のコナラ、中層のヤマウルシ、下層のコナラ・ヤマウルシの稚樹の個葉の光合成・呼吸速度を計測し、光-光合成曲線を作成した。また、各層に到達する光量子密度も測定し、夏季4日間の純生産量を推定した。推定した純生産量(mmolCO2 m-2)はコナラ上層(830)>>ヤマウルシ中層(38)>ヤマウルシ下層(27)>コナラ下層(17)となった。コナラ下層の純生産量が低いのは、弱い光と高い呼吸量によるものであった。従って、今後はヤマウルシが生い茂る暗い林床においてコナラの成長は遅くなり、そのかわりに光要求量が少ない樹種が侵入してくると考えられる。今後は他種の光合成の測定、成長の様子等を調べ、森林の変化について研究を進める。


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