ESJ58 一般講演(ポスタ-発表) P3-HS15
高橋佳歩(晃華学園),小島瑠璃(公文国際学園高等部),岩上匠(区立九段中等教育学校)
地球温暖化により、炭素循環に関する研究が注目を集めている。これまで、森林の土壌呼吸量の測定を行った研究は多くあり、その値は空間的に不均一であることが明らかになっている。そこで本研究では、土壌呼吸の空間分布を決める環境要因を明らかにすることを目的とした。本研究は、2010年10月に浅間山麓のコナラ林とアカマツ林に30m四方の方形区を設置した。縦横3m間隔(121点)で土壌呼吸速度、地温、土壌含水率、有機物層と鉱質土層の深さを測定した。その結果、土壌呼吸速度はコナラ林では377-1516(平均631)mgCO2 m-2 h-1、アカマツ林では278-1267(平均621)mgCO2 m-2 h-1の範囲で、同一林分内でも、その値は大きく異なっていた。土壌呼吸速度はアカマツ林では有機物層の深さとの間に正の相関がみられた(P < 0.05)が、コナラ林では有意な相関はみられなかった(p = 0.07)。一方、コナラ林では土壌呼吸速度と土壌含水率の間に正の相関がみられた(P < 0.05)。しかし、両林分ともその他の要因との間に有意な相関はみられなかった。今後は、樹木の分布状況などの要因についても調査を続けていく。