ESJ58 一般講演(ポスタ-発表) P3-HS17
都丸美保,星野祐太(群馬県立尾瀬高等学校)
尾瀬ヶ原の植生図をつくることを目的に、2008年から植生調査を続けてきた。調査の中で湿原に縞模様が見えることに気づいた。これは植物が環境に合わせて生育するためと考え、それを確認・追求するために縞模様がある場所を詳しく調査(植生調査とスケッチ)した。
その結果、龍宮付近では、主に10の植物群落で植生が構成されており、それが縞模様を形成していることが分かった。そして、これらの植物群落がその環境に合わせて生育していることも分かった。この地点は、尾瀬ヶ原が形成される時に河川の氾濫などにより、その周辺の土壌や地形が変化し、多様な植物の生育環境ができたことが分かった。
しかし、今回、群落総合常在度表とスケッチの2つの視点から群落を分けたが、同じように群落区分されなかった。これはヌマガヤやヤチヤナギなどが調査範囲全体に多く分布しているため植生調査では区分されなかったことや、同一種でも生育状況が大きく異なるとスケッチでは別のものに区分されたからである。
また、今回の調査対象地はベルト状の縞模様に見えたが、詳しく調査すると植物群落がモザイク状になっていることが確認できた。