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ESJ58 一般講演(ポスタ-発表) P3-HS20

オジギソウの生育における密度効果について

大西美緒,半田早記(北海道恵庭北高等学校)


マメ科のオジギソウMimosa pudicaは、明暗の影響あるいは接触や震動などの刺激によって葉が閉じ、垂れ下がることがよく知られた多年生草本である。この就眠運動や接触傾性の生理学的機構については近年明らかになってきたが、生態学的な意味については、まだ明確ではない。本報告は、オジギソウにおけるこの運動の生態学的意義を明らかにすることを目的として始めた実験観察の第一報である。

まず、播種間隔を変えた場合の(1cm,2cm,5cm,10cm,20cm)初期成長における密度の効果を調べた。結果として、?隣りの個体と葉が重なる距離でも静かな室内では接触傾性は見られない。?1cm間隔、2cm間隔に播種した場合、葉が重なり生育が妨げられる。また、成体の形態観察から?成体における葉の間隔は比較的広く、葉が重なることによる光合成の減衰を避けていることが考えられた。

自然状態で接触傾性により葉が閉じることは光合成機能を損ない成長におけるデメリットであることが予想されるが、この性質がなぜ獲得されたのか。研究はまだ手探り状態である。本生態学会大会においてその解明方法についてアドバイスをいただければと思う。


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