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ESJ58 シンポジウム S04-4

Predation intensity by birds affects parasite prevalence in intertidal crabs

*古賀庸憲(和歌山大・教育), 沖彩矢香(和歌山大・教育), 熊谷直喜(水産工学研究所)


干潟に棲息するカニ類の中には、吸虫を終宿主の鳥類に運ぶ中間宿主になっているものが少なくない。和歌川河口干潟では、カニの種や採集地点によって、吸虫の感染の程度に変異が見られた。幾つかの要因がこの変異を生み出している可能性があるが、その中で最も重要なものは鳥による捕食の程度だと考えられる。本調査地ではチュウシャクシギがカニ類の主な捕食者であり、カキ礁でケフサイソガニを頻繁に捕食しているが、砂泥質地ではヤマトオサガニ類、オサガニ、コメツキガニなどもよく食べている。ケフサイソガニ1個体当たりの平均感染吸虫数は、捕食圧の異なるカキ礁間であっても、有意な違いは検出されなかった。それに対し、ヤマトオサガニ類では、カキ礁にいる個体よりも泥質地にいる個体の方が、平均感染吸虫数が多かった。本講演さらに解析を進めて発表する予定である。捕食の程度が、おそらく吸虫の適応度を介して、カニの種や場所間における感染吸虫数の変異を決めていることを示したい。


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