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ESJ58 シンポジウム S13
3月12日 9:00-12:00 B 会場

適応進化を制限する機構:気候変動下での生物多様性研究への示唆

企画者: 東北大学生命科学


ある生物は多様な環境に適応しているのに対し、ある生物は限定された生息環境に留まっている。また、ある生物は、急速に環境に適応して進化しているのに対し、ある生物では長期間形質を進化させていない。これは、その生物の取り巻く物理的環境や相互作用する生物的環境などの違いによるだけでなく、生物種自体の進化しづらさ(conservatism, constraints)、あるいは進化しやすさ(evolvablity)が関与している。進化を妨げる要因としては、集団内に維持される遺伝的変異に影響する集団サイズや交雑、移動分散などの集団遺伝学的要因とその生物自体のもつ遺伝的システムによるものがある。進化しづらさ・進化しやすさは、生物多様性や群集構造を決める重要な要因の一つとして考えられる。たとえば、ニッチに関する性質の進化しづらさ(niche conservatism)は、新しい環境への移住の制限をもたらし、種多様性を決める要因の一つとなる。また、今後の気候変動に対して生物は進化的に適応できるのかどうかを予測する上でも、進化しづらさに関わる要因を明らかにすることは重要である。シンポジウムでは、進化しづらさに関係する要因について、また、それが生物多様性研究および地球環境変動への生物の進化的応答研究に与える影響について考察する予定である。

コメンテ-タ-:村上正志(千葉大・理学部)、工藤洋(京都大 生態研センタ-)

[S13-1] 適応進化を制限する遺伝的機構と生物多様性  河田雅圭(東北大学院生命科学)

[S13-2] 多様な生息地への適応を制限するゲノム構造 牧野能士(東北大院 生命科学),河田雅圭(東北大院 生命科学)

[S13-3] 気候変動下での共進化過程と遺伝子流動 東樹宏和(京都大)

[S13-4] 生物の時空間動態を理解するために有効なniche conservatismの視点 天野達也(農業環境技術研究所)


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