2019年度生態学会中部地区大会 
2019年11月16日(総会及び大会): 名城大学 天白キャンパス

【総会】

・出席者18名

【報告事項】
・今年度の助成金事業に対して13件の応募があり,厳正なる審査の結果,以下に示す3件の研究課題が採択された。また,次年度の助成金への積極的な応募を募った。
1)「高山環境への適応プロセスの解明:クロサンショウウオを対象とした生態学的・遺伝学的特徴の標高間比較」佐藤真(富山大・院・D3)
2)「ニホンライチョウの採餌環境嗜好性評価のための次世代シーケンサーを駆使した餌資源推定」藤井太一(中部大・院・D3)
3)「クワガタムシ科同属近縁種間の食性の多様化が種間競争に及ぼす影響の解明」上木岳(信州大・院・M2)

・会員の地区異動に伴い,中部地区会の事務局メンバーを以下の通り変更した旨,報告した。
変更前 会長:大塚俊之 会計:吉竹晋平 庶務:斎藤琢
変更後 会長:大塚俊之 会計:斎藤琢 庶務:丸谷靖幸

・会計の斎藤琢より,2018年度の会計報告および2019年11月16日現在までの会計報告があった。2020年度の予算として,学会本部からの還元金の比率が4%から6%に引き上げられることが総会で決定し,年間30万ぐらいに増額される予定であることが報告された。地区会の活動として,研究助成金20万程度,地区会費用約10万程度を想定しており,還元金の増額に対して,残高を増やさないように活動を行っていくため,中部地区会での活動について会員からの積極的な案を依頼した。

【審議事項】
・会長の大塚俊之より,2018年度日本生態学会中部地区大会において,2020年度の日本生態学会中部地区大会を石川県地区に依頼してある旨,報告された。2020年度の日本生態学会中部地区大会の開催地域については石川県で開催することを第1候補とし,担当者については,会長の大塚俊之より,石川県立大学あるいは金沢大学の教員に確認を取り決めることで良いか審議し,承認された。

・中部地区会の現事務局が2020年12月までのため,次期事務局を担当する方を決める必要がある旨,会長の大塚俊之より報告された。次期事務局担当者の決め方について審議し,会長の大塚俊之から個別に依頼により決定することに決定した。

・自然保護専門委員会の地区選出委員の任期が2020年3月までとなっているため,次期委員を選出する必要がある旨,会長の大塚俊之より報告された。現委員の和田先生が次期委員を継続いただける可能性があるため,会長の大塚俊之から後日確認する旨,報告された。

・総会終了後,研究発表会が行われ,1題の講演会発表と18題のポスター発表があった。発表プログラムは以下の通りである。


【講演会(招待講演)「森の小さな根の生態」】

・牧田直樹(信州大学理学部)


【ポスター発表】

ポスター発表会(○発表者、#ポスター賞応募)
P-1 「複数の指標を用いた生態系サービスの地図化」○山本真人,大野研(三重大)

P-2# 「スペクトルカメラを搭載したUAV による水稲診断法の確立」○丸山拓巳,藤原洋一,塚口直史,長野峻介,一恩英二(石川県立大)

P-3# 「雪害による樹冠欠損がスギの樹液流速に与える影響」○砥綿夕里花,斎藤琢(岐阜大)

P-4# 「白山千蛇ヶ池雪渓における融雪熱収支特性∼千蛇ヶ池は多年性でなくなってしまうのか∼」○岩佐海杜,藤原洋一,小川弘司,長野峻介,一恩英二(石川県立大)

P-5# 「スギ林における降雪遮断の評価 -樹冠通過水量推定式確立を目指して-」○川田秋雅,藤原洋一,長野峻介,一恩英二,高瀬恵次(石川県立大)

P-6# 「雪害による樹冠欠損がスギの幹表面呼吸の鉛直変化へ与える影響」○高橋春那,斎藤琢(岐阜大)

P-7# 「里山景観における森林と水田畦畔との接続性の違いが土壌動物群集および物質循環機能に与える影響」○古郡憲洋,岸本圭子,本間航介(新潟大)(2018年度助成金受賞者の発表)

P-8# 「まれな送粉者を対象としたカメラトラップ調査 -カメラトラップの有効性の検証-」○末永海人,北村俊平(石川県立大)

P-9# 「同所的に生育するキイチゴ属3種の種子散布者はだれか? -カメラトラップによる果実持ち去り量の比較-」○西野貴晴,北村俊平(石川県立大)

P-10# 「花粉媒介におけるキカラスウリのフリンジ花弁の機能は何か -花弁処理実験による検証-」○金森萌乃香,北村俊平(石川県立大)

P-11# 「ヒノキ細根系の枯死時における根の脱落場所」○吉田厳,土居龍成,和田竜征,谷川東子,平野恭弘(名古屋大)

P-12# 「霧ヶ峰高原における蛾類群集と植生環境との関係および環境評価の有効性」○田島尚,大窪久美子(信州大)

P-13# 「アリーアブラムシ系の個体群ダイナミクス」  ○中井貴生(名古屋大院),乾陽子(大阪教育大),時田恵一郎(名古屋大院)

P-14# 「オドリコソウの集団内・集団間における花筒長の変異と訪花者サイズの変異の関係」○田路翼,石本夏海,江川信,中瀬悠太,市野隆雄(信州大)

P-15# 「クロサンショウウオの地域集団ごとの遺伝的固有性と高山帯への分布拡大プロセス」○佐藤真(富山大),白石俊明,澤田研太(富山県立山カルデラ砂防博物館),亀谷三志(氷見市),山崎裕治(富山大),南部久男(富山市科学博物館)(2019年度助成金受賞者の発表)

P-16# 「森林樹木22 種における葉柄の力学的特性と解剖学的特性の関連」○髙井紀史,長田典之(名城大)

P-17# 「部分的菌従属栄養植物イチヤクソウ(Pyrola japonica)のアルビノ個体と緑色個体での安定同位比の変化」○山口友祐,松尾奈緒子(三重大院),伊藤純子(千葉中央博ボランティア),橋本靖(帯畜大),松田陽介(三重大院)

P-18# 「低層におけるサギ類の繁殖成績と営巣高の関係」○西村祐輝(名城大)

ポスター賞に応募のあった17名中、次に示す2名が「優秀ポスター賞」に選ばれ、表彰が行われた。
P-14# 田路翼(信州大学・理学部)「オドリコソウの集団内・集団間における花筒長の変異と訪花者サイズの変異の関係」
P-15# 佐藤真(富山大学・理工学教育部)「クロサンショウウオの地域集団ごとの遺伝的固有性と高山帯への分布拡大プロセス」


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