2023年度生態学会中部地区大会 
2023年9月26日(総会及び大会):筑波大学山岳科学センター八ヶ岳演習林

【総会】12:00-13:00(オンラインとのハイブリッド)

     参加者:対面7名(教員)+8名(学生),オンライン2名

【報告事項】
・中部地区会事務局について
 2022年度総会において2023年1月~2024年12月の中部地区会会長として松田陽介氏(三重大学)が選任され、事務局が三重大学に置かれることとなった。事務局構成員として、会計・鳥丸猛氏、庶務・松尾奈緒子氏、監査・北上雄大氏が会長により指名された。 

・中部地区会2023年度研究助成実績
 2023年度は5件の応募があり、事務局と中部地区代議員・北村俊平先生の5名でメール審議を行い、以下3件を採択することとした。受賞者は2年以内の地区会での発表が義務付けられており、今年度の地区会では2022年度採択者1名が口頭発表し、1名が報告書形式で発表した。

氏名:桂宗広
所属:名古屋大・院・M1 (2023年4月1日現在)
研究課題:カザリショウジョウバエを用いた訪花性に寄与する神経/分子機構の解明
助成金額:10万円

氏名:熱方悠人
所属:新潟大・院・M1 (2023年4月1日現在)
研究課題:夜間における花上捕食者の存在が伊豆諸島におけるツリガネニンジンのポリネーターシフトを駆動する?
助成金額:5万円

氏名:渡邉彩音
所属:名古屋大・院・M2 (2023年4月1日現在)
研究課題:種子散布がヤマモモの発芽・実生定着に及ぼす影響
助成金額:5万円

 ・会計報告
 昨年(2022年)は新型コロナウイルス感染症対策の緩和のため、対面発表による地区大会を開催することができた。そのため、一昨年のオンライン開催に比べて会場費等の経費を要したが、例年の大会開催経費と同程度に収めることができた。一方、2023年の還元金は、前年と同程度(約3千円減額)であった。2023年はこれまでに研究助成金20万円程度を支出した。地区大会は、引き続き対面で開催することとなったが、平日開催や大学演習林施設の利用等による経費軽減が見込まれたため、昨年の半分以下の開催費5.5万円程度を計上した。その結果、還元金すべてを消化し、加えて前年度繰越からの支出は5千円程度にとどまる見込みとなった。

・その他
・中部地区代議員および自然保護専門委員会委員について

中部地区代議員:北村俊平氏(石川県立大学)2022年1月~
自然保護専門委員会中部地区委員:和田直也氏(富山大学)、増田理子氏(名古屋工業大学)2022年4月~(再任)

・地区大会の開催方法
 
2022年度総会において、地区大会の開催方法(対面、オンライン)の決定は、原則として実行委員会(ホスト校)が行うことが確認された。その際に全国大会の開催方法も参考にする。なお、対面開催とオンライン開催それぞれの利点として、前者は特にポスター発表では低学年や初参加の学生が発表しやすい、学生間コミュニケーションが取れるなど、後者は参加者が多数となるなど。

・生態学会ニュースレター掲載の地区会報告の原稿提出期限:12月中旬
 
総会参加者数、研究発表会参加者数、全演題情報を報告。

   【審議事項】
・次年度の会計について
 
研究助成は毎年度の支出の半分以上を占めており、毎年度の繰越金の削減に大きく貢献しているため、次年度も学生・大学院生に対する研究助成を継続する計画が承認された。

・次回の地区大会について
 
過去の実施県,大学を踏まえ,来年度は11月前後を目途に三重大学で実施することが承認された。
次回の地区大会の開催場所や方法
 富山大(2013)→ 信州大(2014)→ 岐阜大・高山(2015)→ 三重大(2016)→ 新潟大(2017)→ 岐阜大(2018)→ 名城大(2019)→ 金沢大(2020, 中止)→ 金沢大(2021)→ 富山大(2022)→ 筑波大八ヶ岳(2023)→ 三重大(2024)

・その他
 自然保護委員,和田先生,増田先生の任期(2024.3まで)を踏まえた次期委員の選出の依頼があった。

・総会終了後,研究発表会が行われ,19題の口頭発表が対面で行われた。発表プログラムは以下の通りである。

【口頭発表】

口頭発表会(○発表者)

「鱗食魚の表現型可塑性: 鱗食経験に基づく捕食行動と下顎骨の変化」 ○丸林菜々子(富山大・医学部), 八杉公基(福井県立大・海洋生物資源学部), 小田洋一(名古屋大・理学研究科) , 竹内勇一(北海道大・理学研究院)

「GPS 通信機の追跡によるケリの繁殖行動の解明」 ○小丸 奏(岐阜大院・自然科学技術研究科),伊藤健吾 (岐阜大院・自然科学技術研究科),中藤 駿(岐阜大院・自然科学技術研究科),田中智(京大院・農卒) 

「Passive Acoustic Monitoring による生物季節観測 -セミの初鳴日が記録される過程と適切な録音環境の選択-」 ○堀中将大(富山大・持続可能社会創生学環),和田直也(富山大・研究推進機構GRASS) 

スギ人工林に生育するヒナノシャクジョウの発生分布と菌根の形態観察大西由花(三重大・生資), 北上雄大・松田陽介(三重大院・生資) 

「Assessing the impacts of agricultural practices on soil health (A case study in Toyama prefecture)」 Haque Md Ariful., Naoya Wada (GRASS. Univ. of Toyama)

「中央アルプス森林限界域における樹木細根の窒素吸収能:無機態および有機態窒素吸収に樹種間差はあるのか?」 ○諏訪竜之介,伊藤拓生,岩田拓記,牧田直樹(信州大・理学部) 

「立山高山帯に放置されたゴミの種類とその分布 ― 潜在的な分布予測に向けた種分布推定モデルの応用 ―」 ○峯村友都(富山大・院・理工学教育部), 和田直也(富山大・研究推進機構GRASS) 

応募のあった7名中、次に示す2名が「研究発表賞」に選ばれ、表彰が行われた。



受賞された諏訪竜之介さん(信州大:左側),小丸 奏さん(岐阜大院:右側),
おめでとうございます!


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