生態学会に関して、書くことがなくなったわけではない。一休みといったところです。
私は昨年(05年)3月で京都大学を定年退職し、05年4月から石川県立大学に勤めております。この大学は1学年が1学部、3学科、計120人という小規模な大学で私の所属しているのは環境学科で他に、食品学科、生産学科とあります。前身は農業短期大学で、4年生の県立大学は昨年開学したばかりで、現在は1,2年生しかおりません。
大学は金沢駅から30分くらいの野々市町内にあります。研究室の窓からは白山が見え、回りは田圃ばかりのなかなか良い環境です。もっとも、近年は田圃はもっとも汚染された環境であるという説もありますが。私の担当講座は植物生態学分野といいますが、教員は私一人です。どの分野も大体一人で(たまに二人のところもありますが)やっていて、なかなか大変。なんでも一人でやらなければなりません。幸い現在は京都大学の大学院生K君が、こちらで研究するということで来てくれています。こちらにはまだ大学院がないので、院生として受け入れるわけにはいかず、こちらでの身分は特別研究員というとっけん的なエライような名前です。
退職後の勤めというのは、ときどき授業をやって、あとは気楽にしていればよいのだろうと思っていましたが、学長さんは「教育、研究、地域貢献をバランスよく、特に教育に力をいれるように」と、おっしゃっています。今は1,2年生しかいないので、教育に力を入れるといってもそれほどしんどくはありません。現在は1年生向けの「生態学概論」を週1回、講義しています。(その他に環境科学概論というのを3人で教えていますが、私の分は終わりました。後期には「生物分類学」というのが入ります)。必修ではないが、1年生全員が受講しているので、120名の熱気が充満しています。6月末日現在でも115名程度が出席しています。「講義に力を入れる」といっても、どうしたらよいのか。とりあえず、「僕自身が講義を楽しみ、受講生にも楽しんで貰う」ということをポリシーとしました。それ以上、これだけは覚えて欲しいというようなことはないし、私の話が実生活に役立つということもないだろうな。僕自身が楽しむためにどんなことをしているかは、次回以降に。 (2006.07.02)
▲研究室から見える白山。昨年5月下旬の頃のお天気の良い日のスケッチ。こちらのお天気が良くても、向こうのご機嫌の悪い時も多い。最近は見えることが少ないが、まだらになり、谷部にだけ雪が残るという状態になっているはず。