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会長からのメッセージ −その7−

「近況報告のつづき」

 生態学概論の講義は午後1時から2時半までで、時間的には最悪である。何か会議がある場合は、僕自身が確実に居眠りをする時間帯だ。それなのに、学生に居眠りをするなというのは実に横暴だな。でも、がばっと突っ伏して眠られるのは、不愉快であり僕自身が楽しむということに触れるから、突っ伏して眠らないように言ってある。聞こうと思っているのだが、ついうとうとというのはやむを得ない。でも、「先生の講義は眠くならないサー」などと言いに来てくれる場合もあって、そんなときはうれしい。

 講義中に僕自身は細かい失敗をしょっちゅうやっている。失敗で多いのは、説明しすぎることかな。特に、板書して、学生がノートをとっている最中に、つい説明してしまうというのはよくない。解ってはいるのだが、せっかちだから待てないのだ。

 山形大学のKさんが、毎年サクランボを送って下さる。今年も、見事な輝きのものが届いた。去年いただいたときには、その序での便りに、「新しい大学はどうですか?失礼ですが、前任の大学ほど学生が優秀ではないから大変でしょう」というふうなことが書いてあった。優秀ならざる学生に僕が手を焼くのを期待するふうもあった。どういたしまして、うちの学生は優秀なのだ。(頭がよいとか、解りが速いという意味ではない。)その返事に、「板書して、しばらく待っていると学生がノートをとるさらさらという音が聞こえる、この瞬間が好きです」という意味のことを書いたのを思い出した。去年はちゃんと、板書した後、待てていたのだ。慣れてきて気がゆるんだのかもしれないぞ。

 講義の準備は一応やっている。ノートも作ってある。その日の朝には予行もやる。これは研究室にある白板に、今日、板書する内容を順に書いて見るというもので、30分もかからない。これで内容は頭に入ってしまうから、最近はノートを教室に持参しない。ノートを持っていくと、つい見てしまうからです。それで、学生の顔を順番に見ながら話をする。ただ、名前はなかなか覚えられない。これは記憶力が衰えてきたとか、学生の人数が多いとかということよりも、営業努力不足かな。よーし、来年は全員の名前を覚えてやるぞ。

 毎回、宿題を出す。翌週レポートとして提出して貰い、次週には返却する。レポートされてくる中身にそれほど個性のあるものは無い。参考資料としてはWikiを使っているのが多く、同じ内容が多い。会員の先生方のページを参考にしている人も、たまにあるようだ。他には生態学事典とか。だから、読んで採点するのに、そんなに時間はかからない。(何時間かけているかは営業上の秘密です)。ときどき質問が書いてある。これには一応、返事を書くことにしている。あと、なんとかコメントを書くように努力しているが、同じような内容でコメントのしようがなく、読んだしるしにOKと書いてしまうことも多い。これは学生にはちょっと不満なようだ。

 講義だけでは退屈だろうというので、「実験」も組み合わせている。松田先生の本を参考にして、「囚人のジレンマ」ゲームとか、僕が工夫した捕食方程式(Holling 式です)とかをやって貰っている。気分が変わって面白いようです。二人一組でやって貰って、結果はまとめてレポートにして貰っています。 研究の話はまた別の機会に。

通学路:大学へは自転車に乗って通っています。5分くらいの距離です。